ロイヤル・ウースター
1883年 商標登録された通常のロイヤル・ウースターの窯印
ティー・カップ:H=52mm、D=84mm/ソーサー:D=141mm
 絵柄は1810〜20年代にロンドンで流行したフランス風のデザインで、金彩文様、花綱、水色のエナメル地(セーヴル窯の「ブリュ・セレスト」地を模倣)など、18世紀末、ルイ十六世時代のフランスに由来するデザインになっている。カップにはマット金と磨き金を対比させた装飾のハンドルに、リボンが十字交差で巻かれる意匠になっているが、これも元はフランス起源のハンドルのデザインを模したものである。交差して下側に入るリボンには皺が描き込まれており、丁寧な仕上げになっている。
 ソーサーの高台には金彩が施されており、これは本品が高級品として製作されたことを示している。
 カラフルなエキゾティック・バードを描いたのは、トーマス・ジョン・ボット(1859〜1932)である。トーマス・ジョン・ボットは、ロイヤル・ウースターにリモージュ風エナメル画の技法をもたらしたトーマス・ボットの息子で、1873〜85年(86年説も)の間、ロイヤル・ウースターに在籍した。父と同様にリモージュ風エナメル画を描いたが、本品に見られるような通常のカラーエナメルの作品も残している。
 1886年以降はフリーの絵付け師となり、ブラウン、ウエストヘッド、ムーア& Co.を経て、1889年、コールポートのアート・ディレクターとなった。コールポートでは万博出典品の指導を行うなど、極めて重要な地位を占め、また自身も精巧で上品な人物画などの優れた作品を残した。以後は窯を移らず、コールポートで過ごしている。
 

 

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