ダルテ・ブラザーズ(パリ、ド・ラ・ロケット通り)
1805〜25年 オレンジで DARTE FRERES の窯印
タス・リトロン:H=62mm、D=60mm/スクプ:D=126mm
 1800年代初頭のパリには、ダルテ三兄弟が経営する窯が二つあったが、本品はそのうち、ルイ・ジョセフとジャン・フランソワが1808年に提携して建てた窯で製造された。
 ダルテ・ブラザーズの装飾は華麗で贅沢、重厚な器形の食器にふんだんに金彩をかけ、強いトーンの地色に上品な風景画などをあしらった貴族好みのデザインで知られる。
 しかし経営状態は芳しくなく、創業時からあった借金は毎年更新されて次第に増額し、遂に1828年、破産宣告となった。
 本品はダルテ・ブラザーズ初期の作風を知るには好適な作品で、ナポレオン好みのネオ・クラシックの影響を受けた、金彩と僅かな褐色のみの装飾で、この時期にフランスで流行していた、豪華できらびやかながらも硬く冷たい様式をうかがうことができる。デザインはロゼット文や蔦の葉文など古典的意匠で統一され、文様の濃淡は金彩を磨き残すことで表現している。やがてナポレオン失脚の後、ダルテの作風もビーダーマイヤー様式の影響を被り、ダゴティー風のデザインに傾いた。
 

 

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