コールポート
1892〜1919年 商標登録された通常のコールポート社の窯印
ティー・カップ:H=52mm、D=87mm/ソーサー:D=140mm
 カップ内側とソーサー中央部、ハンドルを艶消しの金彩で塗りつぶし、縁部には腐食地文金彩(アシッド・ギルディング)でギリシア風の連続メダイヨン文が仕上げられている。カップの高台部分の金彩は、磨いて鏡面仕上げになっている。
 紺色地の上にはプリント金彩と金盛り(レイズド・ギルディング)で、大変細かいイタリア風のスクロール文様が描かれている。スクロールの始点は海獣(イルカ)の頭で、スクロール・エンドは盛り金を用いた多種の花になっている。また盛り金で、花を入れた壺も描かれている。動物や人の下半身がスクロールに変化するこのような装飾文様の様式を「ルネサンス・スクロール」と呼ぶ。
 本品は19世紀末〜20世紀初頭にかけてのコールポート社製ティー・カップを代表するモールドで作られており、同一の形状で豪華な金彩装飾が施された類似作が「ヨーロッパ アンティーク・カップ銘鑑」p.195、61 に掲載されているので、ご参照いただきたい。
 






コールポート
1892〜1919年 商標登録された通常のコールポート社の窯印
ティー・カップ:H=56mm、D=91mm/ソーサー:D=137mm
 高さがあるペディスタルと、紐状の飾りがある風変わりなハンドルが取り付けられた、フランス風の作品である。カップ、ペディスタル、ソーサーともに緩やかなフリル造形になってる。
 艶のある紺色地の上には椰子の木をモティーフにした「パルメット文(ハート型の部分)」を中心とするデザインが展開し、随所に細かい金盛り(レイズド・ギルディング)が施されている。この金彩パターンは、コールポート社の各種の磁器作品に用いられたため、大変よく知られたデザインの一つとなっている。
 


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